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2017年4月5日更新

給付型奨学金制度の創設を実現!

 2017年3月31日、参議院本会議において給付型奨学金制度の創設を盛り込んだ「(独法)日本学生支援機構法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決・成立しました。

 これまで日本においては、大学生等を対象とした国の奨学金制度には貸与型制度しかありませんでしたが、今通常国会において給付型制度の導入が実現したことは画期的であり、2015年より様々な団体や個人の皆さんに給付型奨学金制度の必要性をアピールし、世論を喚起し、ともに取り組んできた運動の成果です。

 これまで、大阪労福協も中央労福協に結集しながら、アンケート調査や署名活動、地域における街頭宣伝等に取り組んできました。この間の皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

 今後は、この成果を足掛かりに、有利子から無利子へ、貸与から給付への流れをさらに加速し、学費を含む教育費負担の軽減に繋げていくため、中央労福協や連合大阪との連携をさらに強め、運動のネットワークを拡げていく所存です。

 以下に中央労福協事務局長談話を掲載しますので、ご参照ください。

2017年3月31日

日本学生支援機構法改正案の成立に関する談話

労働者福祉中央協議会
事務局長  花井 圭子

1.本日、参議院本会議において、給付型奨学金制度の創設を盛り込んだ「独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決・成立した。
 これまで大学生等を対象とした国の奨学金には貸与型しかなかった日本において、初めて給付型の導入を実現したことは画期的であり、中央労福協の加盟団体はもとより、様々な団体や市民とともに取り組んだ国民運動の成果である。

2.法改正の主な内容は、日本学生支援機構の目的と業務に「学資の支給(給付型奨学金)」を追加するものである。また、法案の附則には、施行5年後の見直し規定が盛り込まれた。支給金額は政令で定めることとされ、2018年度から住民税非課税世帯のうち1学年2万人を対象に月額2~4万円が支給されることになる。2017年度は約2,800人を対象に先行実施することが予算措置された。
 制度が創設されたことは大きな前進だが、対象者や支給金額はあまりにも少なく、今後拡充し、大きく育てていかなければならない。対象者については、当面は住民税非課税世帯の進学者6.1万人全員に拡大しつつ、将来的には中間層にまで広げていくべきである。支給金額についても、更なる増額が必要である。

3.中央労福協は、2015年4月よりアンケート調査や約304万筆の署名、各地域での集会・街宣行動などに取り組み、給付型奨学金の創設に向けて世論を喚起してきた。2016年秋からは、様々な分野の方々とともに呼びかけたアピールへの賛同が全国各地に広がり、奨学金の利用者・返済者等からのメッセージも多く寄せられた。
 衆議院の文部科学委員会において、中央労福協が参考人として意見陳述する中で、こうした国民の切実な声を国会に届けることができたことも、運動の成果のひとつである。国会審議を通じて今後の課題や方向性についての議論も深まり、私たちの意向が反映された附帯決議が衆参両院で採択されたことも評価したい。

4.制度の実施にあたっては、対象者の選定基準や公平性のあり方、国立大学生が授業料減免を受けた場合の減額など、残された課題も多い。実施状況を検証し、施行5年後の見直し時期以前であっても、必要な見直しは早急に行うべきである。制度の運用や検討過程には、利用者・勤労者代表、学校現場の参画や情報公開を求めていく。日本学生支援機構の人員等の確保や、周知・広報体制の整備も必要だ。
 貸与型の奨学金についても、有利子から無利子への流れを更に加速することや、既返済者に対する返済猶予制度等の救済制度の改善にも、速やかに取り組むべきである。

5.今回の給付型の導入はあくまでもスタートラインであり、有利子から無利子へ、貸与から給付への流れを更に加速し、学費を含む教育費負担の軽減につなげていくことが必要である。中央労福協は、これまでの運動の成果を踏まえ、次のステップに向かって、さらに運動のネットワークを広げ、取り組みを強めていく。

以上