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2016年11月18日更新

第3回生活困窮者自立支援全国研究交流大会に参加して

  • 日程:2016年11月12日(土)~13日(日)
  • 会場:全体会:川崎市教育文化会館 分科会:慶應義塾大学日吉キャンパス
  • 参加: 廣石 健次

 2015年4月に生活困窮者自立支援制度がスタートして2年目を迎える中、「広範なプレーヤーと共に ― 制度の見直し充実に向けて!」をスローガンに、第3回目となる全国研究交流大会が2日間の日程で川崎市において開催され、支援制度に携わるNPOや学者、行政関係者、政党、学生など様々な人達が参加して、支援制度の経験交流・意見交換を行いました。

第3回生活困窮者自立支援全国研究交流大会

 1日目の全体会では、主催者である(一社)生活困窮者自立支援全国ネットワークを代表して、岡崎誠也高知市長から「生活困窮者自立支援制度というこれまでにない新しい制度がスタートし、全国各地域でそれぞれの特色を生かした多様な取り組みが行われてきており、地域づくりの取り組みが広がっていることを大変心強く感じている」「支援に携わる人達の横断的なネットワークをさらに広げ、来年の制度施行3年目に制度見直しが想定されている中、制度を如何に見直し、充実させるのかを共に考えよう」など、全国研究交流大会の主旨と歓迎のあいさつがありました。

  また、全体会のプログラムとしては、基調鼎談として、大森彌氏(東大名誉教授)、宮本太郎氏(中央大法学部教授)、本後健氏(厚労省生活困窮者自立支援室長)による制度見直しに触れての語り合いが行われ、国会議員編として、宮本教授をコーディネーターに、自民党、民進党、公明党の代表者からそれぞれ決意表明がありました。

 さらに、自治体編として、「困窮者支援で今こそ自治体政策転換」と題して、青森県弘前市の葛西市長、鳥取県北栄町の松本町長、三重県名張市の亀井市長から、それぞれ支援制度を絡めたまちづくりの報告がありました。

 特別講演では、「希望学から考える困窮者支援」と題して、玄田有史氏(東大社会科学研究者教授)から問題提起を受け、「孤立させず、地域でつなぎささえるには」と題したパネルディスカッションでは、「社会的孤立は誰にでもどこにでも起こりうること、助けてと言える地域社会を生み出すには、手をつなぐこと・・・・」の大切さについて、徹底討論が行われました。

 2日目には、慶応義塾大学日吉キャンパスに会場を移しての11分科会が予定されており、全体会の内容は、てんこ盛りのプログラムとなりました。

 研究交流大会には、全国から1,000人を越える方々が参加し、大阪からは60人が参加していました。

 生活困窮者の支援は、制度や仕組みができたから進むものではなく、支援に携わる人達が連携し、様々な課題を抱える人達を包括的に支援しながら、課題解決に繋げていくことが求められています。

 また、支援事業内容は、「自立と尊厳」「つながりの再構築」「子ども・若者の未来」「信頼による支え合い」の4点を基本視点に、自立相談事業をはじめとした5つの事業を必須事業と任意事業に分け、社会的自立から経済的自立へと個々人に着目し段階に応じた支援を実施する制度として、各自治体で事業展開されていますが、必須事業以外は、まだまだ不十分な状況にあります。加えて、子どもの貧困率が全国平均16.3%に達している中、大阪の状況は全国2位(21.8%)の厳しい状況にあり、就労支援を軸としながらも、この制度の事業内容である「子供学習」事業の充実・拡大を図り、地域ぐるみで支援の輪を拡げ、課題解決に繋げていくことが重要であることを、この大会に参加して強く感じたところです。

 来年は、同時期に高知市で第4回大が開催される予定であり、さらに充実した報告と討を期待します。